10章大企業でSRE導入の道を開く方法

Damon Edwards(Rundeck, Inc.)

「すばらしいと思うが、我が社でうまく機能するだろうか」

あなたが働いているのは中堅から大規模の企業でしょうか。ここまで本書を読んできて、この質問が脳裏をよぎったでしょうか。ご安心ください、あなただけではありませんから。

組織が業務運用の方法を変更するのは、規模に関係なく難しいものです。とはいえ、変化に対する課題や障壁が越えられない山のように思えるのは、大企業の中にいるからです。

ツールの変更? 複雑ではありますが、どのような規模でも実行可能です。

個人に新たなスキルを教える? 難しく時間がかかることではありますが、誰でも習得に至れる方法が知られています。

組織が機能する方法を根本的に変える? これはまさに険しい山であり、最小規模の組織以外では突き当たることになります。

恐れることはありません、大企業における古典的な運用からSREモデルへの移行は実行可能なことです。あなたが本書を読んでいる今このときにも多くの会社が取り組んでいます。

本章が対象とするのは、従来型の運用組織をSREに変革したいと考えている大企業のリーダーです。何も対応しないままではSREへの変革の足元をすくうことになるような障壁を特定および明確化する方法を学ぶことができます。

本章の内容は、大企業における運用組織の変革に協力する中で得られた知識の集積に基づいています。こうした人々は地図のない道を進んでSREにたどり着いたのですから、皆さんのジャーニーはもっと楽なものになると思われます。

まず、取り組みに立ちはだかることになる社内の組織の力を検討します。次に、こうした障壁を取り除いてSREへの変革を開始および持続できるようにする手法を強調します。 ...

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