15章信頼性とプライバシーが交わるところ

Betsy Beyer、Amber Yust(Google)

[注記]

プライバシーエンジニアリングはまだ新しい領域で、業界の関係者も公開の議論で慎重な姿勢を取っています。本章ではどちらかと言えば抽象的な概念とアプローチについて議論しますが、これが読者自身の組織でプライバシーについて検討する具体的な機会へとつながり、プライバシーの領域のイノベーションに関する対話が活発になる環境を醸成することになれば幸いです。

近年ではGoogleによる『SRE サイトリライアビリティエンジニアリング』(オライリー、原書 https://sre.google/books/)が刊行され、またSRE、DevOps、関連する動向に関する書籍やカンファレンスが相当な数に上ることから、業界ではリライアビリティエンジニアリングについて活発な対話が行われています。それに対して、そもそもが慎重に扱うべきトピックであることから、プライバシーエンジニアリングはそれほど大々的に議論されることがなく、その結果、あまり理解が進んでいません。多くの企業や組織がプライバシー(個人情報保護)に関する多くの適切で重要な側面を考慮してプライバシーをエンジニアリングの対象と考えるようになり始めているとはいえ、人々の関心領域としてはSREに遠く及ばない状況です。それでも同時に、個人データの取り扱いを誤ると一般に取り返しがつかないことから、個人データを処理するほぼすべての企業や組織にとって、プライバシーは極めて重要な関心事項となっています。 ...

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