24章イミュータブルなインフラストラクチャとSRE
Jonah Horowitz(元NetflixおよびStripe)
イミュータブルなインフラストラクチャは、大量のプロダクションサーバーをメンテナンスするために必要なトイルの量を飛躍的に減らすことができます。これが可能となるのは、サービスのあらゆるインスタンスが同一の構成・設定になっているため、システムにおける変数の数が減り、コンポーネントの交換が簡単になるからです。
24.1 スケーラビリティ、信頼性、パフォーマンス
SREは誰もが過重な負担を抱え込んでいると思われますが、その核心をなす定義は詰まるところシンプルに要約できます。つまり、大規模なWeb運用のスケーラビリティ、信頼性、パフォーマンスを高めることです。そのための手段として、難しさもあるとはいえ驚くほど強力な効果を発揮するのがイミュータブルなインフラストラクチャです。
イミュータブルなインフラストラクチャとは、小さなベースイメージであるソフトウェアコンポーネントの個々のビルドを出発点として、そのイメージ上にソフトウェアをインストールしていくというプラクティスです。すべてのリリースについて、このイメージは再ビルドしてからプロダクションにリリースします。リリース後、イメージは変更されることも更新されることも一切ありません。新しいイメージで交換されるだけです。このプロセスが「イミュータブル」(不変)と呼ばれるのは、リリースされるソフトウェアが凍結され、決して変更されず、交換されるだけだからです。実行中のインスタンスはローンチ後、Puppet、Chef、さらにはSecure Shell(SSH)などのツールを通じて更新されることが一切ありません(ただし、デバッグの目的でSSHを実行することはあるでしょう)。 ...
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