SREの探求 ―様々な企業におけるサイトリライアビリティエンジニアリングの導入と実践

29章燃え尽きを超えて

James Meickle（Quantopian）

内容についての警告：本章では、精神障害とそれが生活や仕事に及ぼす影響について論じます。取り上げるトピックには薬物療法と医療制度、強制治療、中傷、危機、法律と法制度が含まれます。

私はメンタルヘルスケアの専門家ではなく、弁護士でも雇用法の専門家でもないことに注意してください。本章に反映されているのは、私自身の広範な調査と経験に基づく私自身の分析と意見です。私が目標とするのは、思考、対話、適切な行動に刺激を与えることです。本稿の戦略と提案が自分の状況に合っているかどうかは、読者の皆さんが評価する必要があります。ビジネスを行っている場所や仕事の性質によっては、本稿で説明する戦略や提案の中に、読者に適用される法律には準拠しないものがあるかもしれません。本章の提案や戦略を導入することに関心がある場合、読者の組織にふさわしいものであることを確認するのは当然ですが、それに加え、多様性（diversity）とインクルージョン（inclusion）に関して十分な専門知識がある専門家に相談して、インクルーシビティ（inclusivity＝包括性）の構想が適用法に準拠していることを確認する必要があります。

日本語版編集注：本章はアメリカ国内の法律、医療制度、薬事法に基づいて書かれているため、日本の法律や制度とは異なります。そのため日本の状況とは異なる記述がありますが、原文に忠実に翻訳しています。

何十年にも及ぶ研究の結果、私たちの仕事、さらにはより広い意味で資本主義のシステムそのものが、さまざまな形で私たち全員をどんどん蝕んでいる実態が浮き彫りとなってきました。座ってばかりの職場、オープンプラン型オフィス、さらには人工的な照明までが身体に悪影響を及ぼすことは、十分に立証されています。こうした不自然な労働条件が私たちのメンタルヘルスも直接に害することを、心理学者は認めています。つまり、頻繁な中断、同僚や顧客のために行う感情労働 ...