SREの探求 ―様々な企業におけるサイトリライアビリティエンジニアリングの導入と実践

30章オンコール反対論

Niall Richard Murphy（Microsoft）

私たちにはよく分かっているように、オンコールは終わりにしなければなりません。オンコールは担当する人々にダメージを与え†1、システムを稼働させ続ける手段としては非効率的です。これを排除するための真の可能性を手にしているという、この歴史的な瞬間に私たちが居合わせていることを考えると、オンコールが今日も続いているのを目にするのは本当に苦々しく思います。オンコールを担当する際に私たちが行う職務と、さらに重要な点として、それを行う理由は、本来もっと早く再評価されるべきだったのです。

[†1] 例えば、“How on-call and irregular scheduling harm the American workforce”（https://theconversation.com/how-on-call-and-irregular-scheduling-harm-the-american-workforce-46063、The Conversation）、あるいは“4 Big Reasons to End On-Call Scheduling & What to Do Instead”（https://wheniwork.com/blog/on-call-scheduling、When I Work）を参照してください。これらは収入や家族に及ぶ影響を概説しています。システム自体に対するコストを見積もるのは困難ですが、オンコール状況での「フレンドリーファイア」［翻訳注：戦闘時の味方に対する誤射・誤爆。ここでは一緒にシフトに入っている同僚が誤った対応をしてしまうこと］は、オンコールシフトの1%以上で発生すると推定されています。 ...