4章有害な人に対処する

「イントロダクション」の冒頭の引用にもあるように、ソフトウェア開発で最も難しいのは人間だ。

ここまでは内省をしてきた。自分の行動をふりかえるところから始めて、謙虚・尊敬・信頼(HRT)の原則について触れた。それから、この考えを中心にしたコミュニケーションのできるチーム文化の構築方法について調べた。前の章では、必要に応じてこうしたチームのリーダーになるための方法を説明した。

本書の後半部分では、ギアを入れ替えて外側に目を向けよう。チームの外部の人たちとどのようにやり取りをすればいいだろうか? 君のチームに入りたいとか協力したい思っている人が常にいるはずだ。大きな組織には社内政治の問題もあるだろう。最も大切な外部の人たち(ユーザー!)とのやり取りにも計画が必要だ。

本章では、チームの文化を破壊するアウトサイダーから身を守る方法について説明する。それから、こちらのほうが重要かもしれないが、すでにチームにいる「有害な人」の扱い方についても触れる。

4.1 「有害」の定義

コミュニケーションのとれる強固なチーム文化の重要性についてはすでに考察した。優れた文化には、合意ベースの開発・高品質のコード・コードレビュー・新しいことに挑戦してすばやく失敗できる心地のよい環境などが含まれる。

チームの文化に含めないことについても議論すべきである。効率的で動きの速いチームを目指しているのであれば、やりたくないことも明確にしておいたほうがいい。頭のいいエンジニアがいれば、効率的で動きの速いチームになるだろう。しかし、その人の「ある種の振る舞い」のせいで、逆に非効率で動きの遅いチームになるかもしれないし、会社が居心地が悪い場所になるかもしれない。あるいは、チームの絆が緩むかもしれない。 ...

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