4章画像テンソル

だが、棘をつかむ勇気がないのなら薔薇を求めるべきではない。

—— アン・ブロンテ

前章で単純なテンソルの作成と破棄について学びました。しかし、そこで使用したのはきわめて小さいデータだけです。考えてみると当然ですが、テンソルをそのままコンソールに表示しようとするとその程度の大きさ、その程度の次元までしか扱うことができません。ここからは巨大なテンソルの扱い方を学びます。実際、そのほうがずっと一般的です。これはもちろん画像の世界でも成り立ちます! 本章は前章よりもさらに刺激的なものになるでしょう。実践的なデータを使用し始めるだけでなく、テンソル操作の結果も即座に確認できるようになります。

本章ではベストプラクティスもいくつか紹介します。前章でTic-Tac-Toeゲームの盤面をテンソルに変換したことを覚えているでしょうか。3×3のマス目で構成された簡単なサンプルを使用して、ゲームの状態をテンソルに変換する方法のひとつを説明しました。しかし、ほかの人はそれとはまったく異なるやり方を思いつくかもしれません。毎回車輪を再発明せずに済むように、いくつかの標準的な方法や専門的な工夫を知っておくべきです。

本章の内容は以下のとおりです。

  • テンソルと画像テンソルの違いを説明します
  • 画像を手作業で構築します
  • fillメソッドを用いて巨大なテンソルを作成します
  • 既存の画像をテンソルに変換し、画像に再変換します
  • 画像テンソルを便利な方法で操作します

本章を終える頃には、実際の画像データをテンソルとして扱うことに抵抗がなくなり、ここで得たさまざまな知識を一般的なテンソルを操作する場合にも適用できるようになっているでしょう。

4.1 視覚的なテンソル

画像をテンソルに変換すると、その結果は2階テンソルになると思ったのではないでしょうか。2階のテンソルがどのようなものか忘れてしまっていたら「 ...

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