9章ゲームの仕上げ

前の章の最後まででゲームに含める予定であった主機能の大部分の実装を終えました。本書の最後の章としてできるかぎりゲームの細かい詰めを進めることもできますが、それではこれまで学んだことと同じ内容の繰り返しになり、ついてこられない読者も現れそうです。このゲームはつまるところロケーションベースのARゲームを構築するというコンセプトの良いデモンストレーションになることをめざしているだけです。大事なのはこのゲームの完成度を高めることではなく、読者が本書を通して独自のゲームをデザインし、その開発の進め方を自分で考えられるようになることです。そのためこの章ではFoody GOゲームの構築を進めるのではなく、代わりに次のようなことについて学びます。

  • 開発の残タスク
  • 省略した開発スキル
  • アセットの整理
  • ゲームのリリース
  • ロケーションベースのゲーム開発に伴う問題
  • ロケーションベースのマルチプレイヤーゲーム
  • マルチプレイヤープラットフォームとしてのFirebase
  • その他のロケーションベースゲームのアイデア
  • このジャンルの未来

9.1 開発の残タスク

Foody GOデモの開発が完了したので、ここで将来のためにこれまで触れられなかった商用版のゲームをリリースするのであれば開発者が行わなければいけないタスクについて説明しておきます。ここで説明する内容は将来商用ゲームをリリースすることを計画しているのであれば、必ず役に立つでしょう。

20%の努力があれば80%のタスクを完了することができるが、最後の20%を完了するために努力の残り80%が必要になるという、80/20ルールというものを聞いたことがあるでしょうか。このルールはほとんどのタスクにうまく当てはまりますが、中でも特にソフトウェアやゲームの開発によく当てはまります。この法則に則れば、いまデモゲームの80%まで完了していると思っているのなら、ゲーム全体を完成させるにはさらに4倍の努力(開発に関わる章は6つあったので、4倍して付録N分)が必要になることになります。完了しなければいけない作業をすべて考えると圧倒的な量になると思われますが、まずはシーンごとに残っている作業をまとめてみましょう。 ...

Get UnityによるARゲーム開発 ―作りながら学ぶオーグメンテッドリアリティ入門 now with the O’Reilly learning platform.

O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.