そもそもなぜプレゼンテーションでダマされる、あるいはそのように感じてしまうのでしょうか。その原因についてはさまざまな要因があり、それらが複雑に絡み合っているようです。
読者のみなさまは、以下のスライドを見てどのような印象を持たれたでしょうか。
何か違和感を感じた方もいらっしゃるかもしれません。本章で解説するいくつかのテクニックが使われています。最後に種明かしをします。
プレゼンテーションが持つ特徴
まずプレゼンテーションが持つ本質的な特徴について整理してみます。
❖組織で活動する際に100%の情報共有はできない
そもそもなぜプレゼンテーションをする必要があるのでしょうか。それは所属している組織内で100%完璧に情報共有ができないからです。1人でしていたことを2人でやろうとすると、相手が何をどこまでしたか把握が必要になります。2人で机を並べているうちはまだ何とかなりますが、3人、4人と増えていくにつれ難しくなっていきます。そのため要点をまとめて相手に伝えるということが必要になり、それが洗練された結果の1つがプレゼンテーションです。
ただそうすると要点以外の情報はどうなるのか? という問題が起きます。考えが違う他人なので、同じ事実から違う判断をするかもしれません。要点をうまく操作して、目的を達成しようとする人が現れるのは、しくみとして自然な成り行きです。 ...
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