8章データを価値に変える
これまでの章では、ガバナンスとセキュリティを考慮した上で、安全かつコントロールされた状態で、データを利用できるようにするための方法を学びました。この章では、データを価値に変える方法について学びます。ここが特にややこしいところです。
ビジネス要件は、必ず最優先で考えなければなりません。データをインサイトや行動に変えるには、情報の流れを理解し、その価値を使ってビジネスチャンスを見つけることが必要です。最初は、一度限りのプロジェクトとして始まるかもしれません。しかし、理想的には、重要なデータを持続可能なソリューションに変換し、常に組織のために価値を提供することが必要です。ビジネス要件に応じて、ビジネスインテリジェンス、リアルタイム意思決定、機械学習など、さまざまな手法を使用することができます。
次に、非機能的要件を考えます。多種多様で複雑なユースケースに対応するためには、多くのさまざまなデータベーステクノロジーが必要です。ユースケースに応じて、これらの中からいくつかを選ぶことになるかもしれません。さらに、変換の種類、その速度、並列化のための最適化、消費パターンには、多様性があり、これらはすべて最終的に得られる成果に影響してきます。性能の制限により、データを高速に読み出すために、データの複製や再構築を強いられる場合もあります。
これらすべての課題に対する解決策として提案するのは、標準化された再利用可能なパターンと構成要素を作成することです。これらは、6章で説明したデータ流通の基盤の上に構築され、7章で説明したガバナンスモデルと組み合わせて使います。この章を読み終える頃には、さまざまな消費パターン、セルフサービスデータと管理データの違い、データストアを選択する際の非機能要件、ビジネスインテリジェンスとアドバンストアナリティクスのための構成要素と原則を理解いただけると思います。 ...
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