3章オブザーバビリティを用いないスケーリングからの教訓
ここまでは、 オブザーバビリティ について定義し、従来のモニタリングとの違いを論じてきました。 現代的分散システムを管理する場面での従来のモニタリングツールの限界と、オブザーバビリティがそれをどう解決するかについて取り上げました。 しかし、伝統的世界と現代的世界にはまだ、進化上のギャップがあります。 現代的なシステムをオブザーバビリティなしにスケールさせようとすると、何が起こるのでしょうか?
この章では、従来のモニタリングツールやアーキテクチャの限界に直面したという事例を見ていきながら、アプリケーションがスケールする際になぜ別のアプローチが必要となるかについて説明していきます。 共著者のCharity Majorsは、彼女が以前勤めていた会社 Parse [1] で、オブザーバビリティなしにスケーリングすることから学んだ教訓を語っています。 このストーリーは彼女の視点から語られています。
3.1 Parseの紹介
読者の皆さん、こんにちは。 私はCharityです。17歳のころからオンコールの仕事をしています。 当時は、アイダホ大学でサーバーのラッキングをしたり、シェルスクリプトを書いていたりしました。 さまざまなよく知られたモニタリングシステムの、誕生から普及に至る流れを覚えています。 Big Brother、Nagios、RRDtool、Cacti、Ganglia、Zabbix、そしてPrometheusなど。 全部とまでは言いませんが、ほとんど使ったことがあります。 どれもその時代にはとても便利なものでした。 しきい値を設定し、モニタリングし、システムの汚れを落とし、それを繰り返す。 ...
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