5章構造化イベントはオブザーバビリティの構成要素である
この章では、オブザーバビリティの基本的な構成要素である構造化イベントについて検討していきます。 オブザーバビリティとは、システムがどのような状態になったとしても、どんなに斬新で奇妙な状態であっても、どれだけ理解し説明できるかを示す尺度です。 そのためには、事前に答えを出す必要性を予期・予測することなく、どんな質問に対しても答えを出せるようにしなければなりません。 それを実現するために、まずいくつかの技術的な前提条件を満たす必要があります。
本書を通じて、オブザーバビリティに必要な多くの技術的前提条件を取り上げます。 この章では、あなたのシステムがどのような状態であっても、それを理解して説明するために必要な、テレメトリーから始めます。 あらゆる 質問に答えるためには、詳細なテレメトリーの任意の組み合わせに対して、任意の数のディメンションに沿ってデータを任意かつ詳細に分析でき、また、テレメトリーが収集されたときの文脈を保持する最小の論理的粒度まで、完全な解像度で収集されている必要があります。 それはオブザーバビリティにとって、サービス単位やリクエスト単位のテレメトリーを収集することを意味します。
古典的スタイルのメトリクスで、新しい質問をしてその答えとなる新しいテレメトリーを収集するためには、前もってカスタムメトリクスを定義する必要がありました。 メトリクスの世界で、あらゆる質問に対する答えを得るには、あらゆるメトリクスを収集して保存しなければなりません(これは単純に不可能で、可能だとしても法外に高価です)。 さらに、メトリクスはイベントのコンテキストを保持せず、単に特定の時間に発生したことを集計した測定値です。 このような集計的視点では、新しい質問をしたり、既存のデータセットの中から新しい異常値を探したりすることはできません。 ...
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