20章オブザーバビリティの利害関係者と協力者
本書の大部分は、ソフトウェアエンジニアリングチームにオブザーバビリティの実践をはじめることに焦点を当てています。 しかし、組織全体への導入となると、エンジニアリングチームが単独で進めることはできませんし、そうすべきでもありません。 一度、リッチワイドイベントを計装すれば、テレメトリーデータセットは、市場における、あなたのサービスの動作に関する情報の宝庫となります。
オブザーバビリティは、任意の質問に対して迅速に回答を提供できるため、エンジニアリングには関わらない、組織内のさまざまな利害関係者との知識ギャップを埋められます。 オブザーバビリティの文化を広めるための秘訣は、エンジニアリングに隣接するチームがこれらのギャップに対処するのを助けることによって、味方を作ることです。 この章では、エンジニアリングに隣接するオブザーバビリティの使用例、どのチームが採用の味方となりそうか、そして、どのように彼らを支援すれば、オブザーバビリティを、組織での実践を進めるうえでの中核とする機運を高められるのかについて学びます。
20.1 非エンジニアリング的なオブザーバビリティの必要性の認識
エンジニアリングチームは、ツール、プラクティス、習慣、目標、願望、責任、および要件を組み合わせて、顧客に価値を提供するための仕組みを持っています。 エンジニアリングチームには、ソフトウェア開発に重点を置くチームもあれば、業務に重点を置くチームもあります。 エンジニアリングチームによって専門分野は異なりますが、自社のソフトウェアを使用する人々に優れた顧客体験を提供することは、決して「他の誰かの仕事」ではありません。 それは共有された責任であり、全員の仕事なのです。 ...
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