マスタリング・ライトニングネットワーク ―ビットコインの迅速な支払いを実現するセカンドレイヤーブロックチェーンプロトコル

7章ペイメントチャネル

本章では、ペイメントチャネルを詳しく取り上げ、どのように作成されるのかを確認します。本書の冒頭で紹介した例に基づき、AliceのノードがBobのノードに対してチャネルを開くところから始めます。

AliceのノードとBobのノードの間で交換されるメッセージは「BOLT #2: Peer Protocol for Channel Management」†1で定義されています。AliceのノードとBobのノードが作成するトランザクションは「BOLT #3: Bitcoin Transaction and Script Formats」†2で定義されています。本章では、ライトニングプロトコルアーキテクチャの「チャネルのオープンとクローズ」と「チャネルのステートマシン」の2つの部分に焦点を合わせます。これらの部分は図7-1の中央（ピアツーピア層）の枠で囲まれている部分に相当します。

[†1] https://github.com/lightning/bolts/blob/master/02-peer-protocol.md

[†2] https://github.com/lightning/bolts/blob/master/03-transactions.md

図7-1 ライトニングプロトコルスイートのペイメントチャネル

7.1　ビットコインシステムを使う別の方法

ライトニングネットワークは「レイヤー2ビットコインプロトコル」と表現されることがよくあり、ビットコインとは異なるような印象を与えます。「ビットコインをよりスマートに使う方法」とか、あるいは単に「ビットコインに基づくアプリケーション」として説明されることもあります。このことについてちょっと調べてみましょう。 ...