8章ペイメントチャネルネットワークでのルーティング
本章ではいよいよ、ルーティングと呼ばれるプロセスを経てペイメントチャネルを接続し、ペイメントチャネルのネットワークを作り上げる方法を明らかにします。具体的には、ルーティング層の最初の部分にあたる「アトミックでトラストレスなマルチホップコントラクト」プロトコルを調べます。図8-1のプロトコルスイート図では、枠で囲まれている部分に当たります。
8.1 支払いのルーティング
ここでは、Dinaの視点に立ってルーティングを調べることにします。Dinaはロシアに住む10代のゲーマーであり、ゲームセッションのストリームを配信しているときにファンから投げ銭を受け取ります。
ペイメントチャネルのルーティングが導入されたことで、Dinaは彼女に投げ銭したいファンの1人1人とチャネルを個別に確立しなくても投げ銭を受け取ることができます。その視聴者からDinaまでの間に十分な資金を持つチャネルのパスが存在している限り、Dinaはそのファンから支払いを受け取ることができるからです。
図8-2は、ライトニングノード間のさまざまなペイメントチャネルによって作成されるネットワークレイアウトの例です。この図では、全員がパスを接続済みなので、Dinaにペイメントを送信できます。ファン4がDinaにペイメントを送信したいとしましょう。このようなペイメントが可能になるパスはあるでしょうか。ファン4はファン3、Bob、Chan経由でDinaにペイメントをルーティングできるはずです。同様に、AliceはBob、Chan経由でDinaにペイメントをルーティングできます。 ...
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