9章

バックアップとリカバリソフトウェアの方法

 商用バックアップとリカバリのソリューションは、私が30年前に使っていたのと基本的に変わらない従来型バックアップの方法から、つい2、3年前に出てきた技術まで、様々な形態がある。この章の目的は、使用可能な全ての選択肢の鳥瞰図とそれぞれの方法の長所と短所の提示である。

9.1 全てバックアップと呼んでいいのか?

 この章で取り上げるバックアップソリューションの中には、多くの人がバックアップという言葉から想像できないものも入っている。しかし、私はバックアップを以下のように広義に定義する。オリジナルとは別に保存されたデータのコピーであり、オリジナルシステムが損傷した場合にそれを復旧するために使用できるもの。数多くの技術的ソリューションが、この定義に当てはまる。

 バックアップという言葉を聞くと、ほとんどの人がテープドライブ、ファイルやデータベースのバックアップのバッチ処理、あるいはそれらをtardump、商用フォーマットでバックアップすることを思い浮かべるだろう。このような時代遅れのバックアップの定義を拡張して、ディスクをターゲットとすることもあるかもしれない。だが、その人たちは、レプリケーション、スナップショット、継続的データ保護などは、バックアップだとは考えないかもしれない。失礼ながら、それには同意しかねる。

 この章に書かれていることの全てが、それだけで使われている場合は、必ずしもバックアップの定義に当てはまらない、ということが読み進んでいくうちに理解できるだろう。その典型的な例が、レプリケーションとスナップショットだ。それ自体では、私はこれらを有効なバックアップ方法とは考えていない(動的に複製されたコピーは、プライマリを破壊したのと同じものによって簡単に損害を受ける可能性がある。また、スナップショットはオリジナルに依存しているからだ)。しかし、これらを組み合わせることで、準継続的データ保護(ニアCDP)と呼ばれる強力なソリューションになる(ニアCDPについては、この章の後半で説明する)。 ...

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