13章
商用データ保護製品の課題
次の2つの章で様々な種類のデータ保護ソリューションについて説明する前に、簡単な歴史のレッスンを行い、商用バックアップ製品ができる前の世界はどんなものだったかを説明したい。若い諸君は、自分たちがどれだけ恵まれているか知らないだろう。
その歴史的な教訓に続いて、今日のバックアップとリカバリシステムに見られる全ての課題を包括的に概観しよう。そこに提示された様々な項目はいわば技術プレゼンテーションにおける問題提起と考えてもらいたい。このバックアップとリカバリの全問題点のリストに続いて、これらの問題の1つまたは複数を解決するために購入できる商用バックアップとリカバリシステムの全ての種類を2章に分けて説明する。各ソリューションのカテゴリには、その特定のアーキテクチャの利点と課題が含まれており、その後、バックアップとリカバリ業界における特定のカテゴリの現状について私の分析が続く。
13.1 バックアップの歴史
データ保護の世界において商用バックアップソフトウェアがいかに重要であるかを理解するには、それが登場する前のバックアップのあり方を見る必要がある。UnixやNetware向けの商用バックアップソフトウェア製品は1980年代半ばに登場し始めたが、今日のような華やかな業界ではなかった。大規模な商用Unix環境では、商用バックアップ製品や何らかのテープオートメーションシステムを稼働させることは想定外だった。
私はその世界に身を置いていたので、このことを知っている。1993年、私は350億ドルの銀行で働いていた。その銀行には数百台のUnixサーバがあり、全てのバックアップはいくつかのシェルスクリプトとcronジョブによって運用されていた。私はAT&T ...
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