14章
従来型データ保護ソリューション
データ保護業界は、過去数十年の間にかなりの進化を遂げた。この章(および次の章)で取り上げるデータ保護ソリューションの各タイプは、市場で先行したソリューションの限界や課題、または市場の大きな変化(VMware、クラウドなど)によって生じた課題に対処すべく設計されてきた。
バックアップ業界は少し特殊で、10年、20年前に設計された製品をいまだに多くのユーザが満足して使っている。もちろん、市場には様々な波があった。20年前に市場の100%を占めた、私が従来型バックアップ製品と呼ぶものに始まり、次に仮想化セントリックの製品がシェアを奪いながら成長してきた。その後、別な波がやってきた。ハイパーコンバージドやバックアップ・アズ・ア・サービス、IaaS/SaaS製品のバックアップをターゲットにした製品などだ。それぞれの波がそれぞれの支持者を生み出したが、これらの製品に移行した人々の多くは(ほとんどではないにせよ)、その製品に留まっている。そのため、現在のバックアップ市場は、昨年登場した製品もあれば、私よりも業界に長くいる製品もあり、様々な製品とサービスが混在している。
これらのカテゴリについて、私が知っている唯一の方法で説明していく。つまり、どうやってここに至ったかという物語を伝えるというやり方だ。この物語は、はるか昔、従来のバックアップ製品に始まった。私のような人間が、何百ものUnixシステムを個々のスタンドアロンのテープドライブにバックアップしようと、髪の毛を掻きむしって格闘している状況があったために、これらの製品は開発された。ターゲット重複排除システムは、テープが問題視され始めた頃に市場に登場した。以下は、これらの様々なソリューションとそれぞれのメリットと課題の要約である。従来のソリューションの概要を説明することで、製品をより深く理解し、課題を抱えているのは自分だけではないと確信できるだろう。 ...
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