1章現実のものとなったビッグデータ戦略
ビッグデータがなければ、私たちは目が見えず耳も聞こえない状態で高速道路の真ん中にいるようなものだ。
—— ジェフリー・ムーア
デジタルトランスフォーメーション(DX)、データ戦略、データレイク、データウェアウェアハウス、データサイエンス、機械学習(ML)、人工知能(AI)といった用語は大きな可能性を持っています。企業が成功するための鍵を握っているのはデータであり、データとAIに軸足を置いている企業は競合他社を大きく上回る業績を上げているということは今や常識です。HDDのSeagateがスポンサーになったIDCのある研究(https://oreil.ly/J8fjX)によれば、キャプチャー、収集、複製されるデータ量は、2025年までに175ゼタバイト(ZB)になるといいます。このキャプチャー、収集、複製されるデータをグローバルデータスフィア(Global DataSphere)と呼びます。データは3層のソースから得られます。
- コア(中心)
- データセンター(旧来のもの、クラウドベースのもの)
- エッジ(周縁)
- 強化されたインフラ(携帯基地局など)
- エンドポイント(端点)
- PC、タブレット、スマートフォン、IoTデバイス
この研究は、2025年までにグローバルデータスフィアの49%がパブリッククラウド環境に置かれることも予想しています。
「このデータを格納するのはなぜなのだろうか。何のために役立つのか」と思ったことがあるかもしれませんが、答えはきわめて単純です。このデータがパズルのピースのような単語のピースとして世界中のさまざまな言語でばらまかれ、それぞれが断片的な情報を共有している様子を想像してみましょう。これらの断片的な情報を意味を生み出すような形でつなぎ合わせれば、情報を伝えるだけでなく、ビジネスや人はおろか、世界の動かし方まで変えるようなストーリーが生まれます。成功を収めている大半の企業は、事業の成長の原動力となるものや顧客が実際に感じる体験を理解し、適切なアクションを起こすために、すでにデータを活用しています。顧客の認知の獲得、顧客による商品の受け入れ、顧客の商品への積極的な関与、顧客の維持という「ファネル」(漏斗)に注目することは、今や製品投入の共通認識になっています。この種のデータ処理、データ分析は、 ...
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