第2章優れたストーリーの解剖学
UXを説明するための建築家の喩え(アナロジー)
私が最初に書いて公開したブログ記事は、「インフォメーションアーキテクト vs 普通の建築家」†1で、2010年のものです。この記事では、家の計画とオンライン体験や戦略の計画を比較することで、私の生業を説明しています。私は、南スウェーデンの少女時代から、目の前にあるものが物理的に存在するのか、あるいは頭の中にあるイメージなのかに関わらず、想像力をかき立て何かを理解させるような類比やメタファーが好きでした。
ストーリーを作ることは、私の願望から、人生で起こっていること、出会った人々や経験との類似性を描くことまで、物事を明確にし、結びつける方法です。私は、UXデザイナーは蜘蛛のようなものだとよく言っていますが、それは私が物事をつなぎ合わせることが好きだからです。獲物を殺して食べるという意味ではなく、緻密に網を紡ぎ、全てをまとめ上げ、起こっていること全てを俯瞰し、それがどのようにつながっていて、片方が変わると他の全てにどのような影響があるのかを俯瞰する、そんな存在です。
蜘蛛の喩えはそれほど一般的ではないかもしれません。しかし、インフォメーションアーキテクチャあるいはUXデザインと、家を建てることの喩えは、私が最初に思いついたわけではありません。とはいえ、これは私がUXデザイナーであることを伝えたときに、たいていの人が向ける無表情な視線に応える方法であり、またそれを先取りする方法でもあるのです。この家の喩えは、私が実際に何をして過ごしているのかという追加質問へとつながることがよくありますが、私がUXデザインについて気に入っていることの1つは、日常生活や他の職業との類似点が非常に多いということです。UXデザインの説明は、話す相手によって簡単にアレンジすることができます。また、父のように本を書くことや、兄のヨハンのように建築家や造園家、私のパートナーのDのように俳優など、他の分野からも学び、引き出せるものがたくさんあるので、非常に魅力的な分野だと思います。 ...
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