4章限りある時間

この業界に入ったばかりの頃、なぜ上級職の先輩たちは何かにコミットするのにこんなにも慎重なのだろうと不思議に思っていました。私が何か問題があることを示しても、不可解なことに、上司や周囲のシニアエンジニアたちは、すべてを投げ出してその問題を解決しようとはしませんでした。どうして彼らは解決しようとしなかったのでしょうか?

上級職になってみて、その理由がわかりました。上級職になると、スケールしないアーキテクチャ、全員の時間を浪費するプロセス、逃した機会など、多くの問題が見えてきます。誰かがもう1つ指摘すると、あなたはそれをリストに加えます。

良いニュースは、仕事に事欠かないということです。しかし、悪いニュースもあります。それは、一人ですべてをこなせないということです。あなたはすべての問題に飛びつきたいと思うかもしれません。ですが、それが持続可能ではないことをすぐに学ぶでしょう†1。壊れているもの、最適でないもの、あるいは単に迷惑なものがあったとしても、それを見過ごして何も行動しないことを受け入れなければなりません。

[†1] わかります。そうするのは本当に難しいです。でも、あなたはやがて学ぶのです。

4.1 全部やる

本章では、何をするかを選択することについて説明します。スタッフエンジニアとして、あなたは毎日選択を迫られます。インシデント対応のコールに参加すべきか、メンターとしての依頼にどう答えるか、特別なサイドプロジェクトを引き受けるかどうかなどです。すべてが自分の問題になるわけではありません。では、何を問題にすべきでしょうか?

機会費用や会社にとって重要な仕事だけを引き受けるべきであることについてはすでに説明しました。本章ではもう1つの要素を加えたいと思います。それは、あなたにとって何が重要かということです。自分の成長、評判、幸福をサポートするプロジェクトを選ぶことは、短期的には少し利己的に感じるかもしれません。ですが、自分のニーズは重要です。そして、それを見守るインセンティブを最も持っているのは自分です。 ...

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