7章今はあなたがロールモデル(お気の毒さまながら)
「声に出して考えてはいけないよ」。スタッフエンジニアになったとき、友人のCarla Geisserはこう警告してくれました。「中途半端なアイデアを声に出して話していると、1か月後にはそれがまるでプロジェクトであるかのように人々が話しているのを聞くことになってしまうんだ」。同僚のRoss Donaldsonは、彼自身の役割について、さらにはっきりとこう語っている。「スタッフエンジニアになると間違いが許されなくなるわけではないのですが、口を開くときには気をつけなければなりません」
これはスタッフエンジニアという肩書きがもたらす恩恵であり、また災いでもあります。人々はあなたがすべてを見通して話していると思ってしまうのです。そのため、あなたは自分が何を言っているのかをよく知っておく必要があります。スタッフエンジニアになると、あなたの仕事に対する人々のチェックは少し甘くなり、あなたのアイデアはより信頼できるものとみなされるようになります。人々はあなたを指導するのではなく、あなたに指導を求めるようになるのです。
7.1 良い仕事をするとはどういう意味?
何よりも、あなたはロールモデルになります。あなたがどう振る舞うかが、他の人がどう振る舞うかにつながります。あなたは理性の代弁者であり、成熟した大人です。「これは問題だ、誰かが何か言うべきだ」と思う瞬間があるでしょう……そして、その誰かがあなたであることに沈痛な思いで気付くのです。正しい行動の模範となることで、経験の浅い同僚に良いエンジニアのあり方を示せます。8章では、積極的かつ意図的に、組織や同僚に良い影響を与える方法を見ていきます。本章では、受動的な影響力、つまり、あなたがエンジニアとして、また一人の人間として行動することによって与えられる影響力について説明します。 ...
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