1章レイテンシ・帯域幅入門
1.1 スピードは機能
ここ数年のWebパフォーマンス最適化(WPO)業界の出現とその急激な成長は、アプリケーションのスピードとその向上によるユーザ体験の向上が、より多くのユーザにとって重要なものになっているという証拠です。これは、我々の恒常的に加速・接続されている世界における単なる心理的なスピードの必要性ではなく、多くのオンラインビジネスの業績を計測した結果という経験から導き出された要求なのです。
- より速いサイトは、より良いユーザエンゲージメントにつながる。
- より速いサイトは、より良いリテンションにつながる。
- より速いサイトは、より高いコンバージョンにつながる。
簡単に言うと、スピードは機能です。そしてこの機能をユーザに届けるためには、関連する多くの要素と根本的な制限を理解する必要があります。本章では、ネットワークトラフィックのパフォーマンスを左右する2つの重要な要素に焦点を当てて説明します。レイテンシ(latency)と帯域幅(bandwidth)です(図1-1)。
- レイテンシ
- 送信元がパケットを送信してから宛先が受信するまでの時間。
- 帯域幅
- 論理的、もしくは物理的通信路における最大スループット†1。
[†1] 訳注 帯域幅はその経路における理論的な最大通信速度のことで、スループット(throughput)は実効速度です。
レイテンシと帯域幅がどのような関係を持っているかを完全に理解することが、TCP・UDP、そしてその上で動作するアプリケーションプロトコルの内部構造とパフォーマンスの特徴をより深く知るためのツールとなります。
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