3章UDPの構成要素
User Datagram Protocol(UDP)は、1980年にインターネットプロトコルスイートの中核としてJon Postelにより追加されました。TCP/IPの登場よりずいぶん後でしたが、その当時、TCPとIPは別個のRFCに分割されようとしていました。このタイミングは重要でした。なぜならば、この後の説明にあるように、UDPの主な特徴とその魅力は、その機能に存在するのではなく、あえて機能を除外したというところに存在するからです。UDPは別名ヌルプロトコルと呼ばれており、その仕様を記述しているRFC 768は確かにナプキンに収まるほど少量です。
- データグラム(datagram)
- 自己完結し、独立した存在としてのデータであり、送信元と宛先のノード間や、そのネットワークにおける過去の通信内容に依存することなく、ノード間のルーティングを行うための十分な情報を持っているもの。
「データグラム」と「パケット」という言葉は同義語として扱われることがありますが、実はそれぞれ特別な意味合いを持っています。「パケット」はフォーマットされたデータブロック全般に対して使われ、「データグラム」はパケットの中でも信頼性の低いサービスによって配信されるものを指します。配信される保証はなく、失敗の通知もありません。そのため、UDPの「User」という単語をより実態に即した「Unreliable」という単語で置き換えた「Unreliable Datagram Protocol」という言葉を見ることもあります。そしてこれがUDPパケットが一般に、そしてより正確には、データグラムと呼ばれる理由でもあります。
おそらく最もよく知られたUDPの用途であり、すべてのブラウザとインターネットアプリケーションが依存するものがDNS(Domain ...
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