4章TLS

TLS(Transport Layer Security)の前身となるSSL(Secure Socket Layer)はNetscapeによって開発が始められたプロトコルです。安全な取引を保証するための認証および整合性の保証とともに、顧客の個人情報の暗号化が必要となるWeb上の商取引の安全性を確保する目的で開発されました。この機能を実現するため、SSLプロトコルはアプリケーション層で実装され、TCPの直接の上位層で動作し(図4-1)、そのさらに上位のプロトコル(HTTP、email、IMなど)の動作に影響を与えることなくネットワーク通信時の安全性を提供します。

SSLが正しく使用されると、通信を傍受する第三者は通信のエンドポイント、暗号化の種類、そしてデータの送信頻度とおおよそのサイズを推測できますが、実際のデータの内容を読むことや、変更することはできません。

TLS

図4-1  TLS

[注記]

SSLプロトコルがIETFによって標準化される際にTransport Layer Security(TLS)と改名されました。TLSとSSLは同じものを指す言葉として使用されることがありますが、それぞれは異なるプロトコルバージョンを指すため、厳密には異なります。

初めて一般公開されたSSLのバージョンは2.0ですが、多くのセキュリティ上の欠陥が発見されたため、すぐにSSL3.0に置き換えられました。SSLはNetscapeの独自開発プロトコルだったため、その後IETFがプロトコルの標準化を行い、RFC ...

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