13章アプリケーション配信最適化

ハイパフォーマンスなブラウザネットワーキングは、多数のネットワーク技術に支えられています(図13-1)。そしてアプリケーション全体のパフォーマンスはこれらの各技術を合計したものなのです。

Webアプリケーション配信の最適化レイヤー

図13-1  Webアプリケーション配信の最適化レイヤー

クライアントとサーバの間のネットワークの状況を制御することや、クライアントのハードウェアとその設定を制御することはできません。しかしその他はすべて開発者の手中にあります。サーバでのTCPとTLSの最適化、様々な物理レイヤーの特徴に対処するアプリケーション最適化、使用するHTTPプロトコルのバージョン、そして一般的なアプリケーション開発のベストプラクティスはすべて開発者の支配下です。これらすべてを正しく遂行することは簡単ではありませんが、万難を排して実行する価値は十分にあります。ここですべてをまとめてみましょう。

通信チャネルの物理的な特性が、超えられないパフォーマンスの壁を設定します。パケットの物理的な伝播速度(光速に近い速度)とクライアント-サーバ間の距離が伝播遅延を決定し、利用媒体(有線/無線)でそれぞれのパケットに発生する処理、伝送、キューイングなどの遅延が決定されます。ほとんどのWebアプリケーションのパフォーマンスは、帯域幅ではなくレイテンシによって左右されます。帯域幅は拡大を続けていますが、レイテンシは決して短縮されているとは言えません。これらのトピックに関しては、以下を参照してください。 ...

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