2章進化的アーキテクト
1章で説明したように、マイクロサービスにはたくさんの選択肢があり、そのために多くの判断を下す必要があります。例えば、いくつの異なる技術を使うべきか、チームが異なるプログラミングイディオムを使うことを許可すべきか、サービスを分割またはマージすべきかなどです。このような判断にどのように対応するのでしょうか。変化の速度がより速くなり、このようなアーキテクチャによって環境がさらに流動性を高めるに従い、アーキテクトの役割も変わらなければなりません。本章では、アーキテクトの役割に関してかなり独断的な見方を取り、できれば象牙の塔に最後の攻撃を加えたいと思います。
2.1 不正確な比較
それを連発しているな。意味がわかっているのか。
-イニゴ・モントヤ、『プリンセスブライドストーリー』より
アーキテクトには重要な仕事があります。アーキテクトには、技術ビジョンが一致することを確認する役割があり、そのビジョンは顧客が必要とするシステムを提供する手助けとなるべきです。場合によっては、1チームと連携するだけで済むこともあり、その場合にはアーキテクトと技術リーダーの役割は同じであることが多いでしょう。また、工程表全体のビジョンを決め、世界中の複数のチームや組織全体とも連携することもあるでしょう。アーキテクトがどのようなレベルで活動していても、その役割を明確に言い表すのは難しいものです。企業の開発者にとってアーキテクトになることは明らかに昇進であることが多いとはいえ、他のどの役職よりも批判を浴びる立場でもあります。他のどの役割にも増して、アーキテクトは構築するシステムの品質、同僚の労働条件、組織の変化対応力に直接的な影響を持つにもかかわらず、私たちはしばしばアーキテクトの役割を誤解しています。それはなぜでしょうか。 ...
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