はじめに
ソフトウェアが世界を飲み込む。
マーク・アンドリーセン
工業に携わる企業において、ソフトウェアを避けて通るのは危険だ。(中略)ソフトウェア会社はいつの日かGEを中抜きするだろう。そのことについて、我々はもっと危機感を抱くべきだ。
ジェフリー・イメルト
わしの言う通りやる奴はバカ。やらん奴はもっとバカ。わしが言うよりも、もっとうまくやる奴が利口。
大野耐一
本書では、市場環境・顧客ニーズ・新興テクノロジーの変化に対応して、イノベーションをすばやく起こせる組織になる方法を紹介します。
会社の存亡は、新規事業を発見し、顧客のために継続的な価値を生み出せるかどうかにかかっています。これまでもそうでしたが、この数年間ほど、このことが当てはまる時代はないでしょう。競争圧力はますます高まり、テクノロジーと社会の急速な変化によって激化しています。Deloitte社の「シフトインデックス」が示すように、フォーチュン500企業の平均寿命は、50年前の約75年から、今や15年にまで低下しています。イェール大学のリチャード・フォスター教授は「2020年までにS&P500企業の4分の3以上が、我々がまだ耳にしたことのない会社になるだろう」と予測しています†1。企業が長生きできるかどうかは、文化と技術の力を理解して活用し、イノベーションサイクルを回し続ける能力にかかっているのです。
インターネットとソーシャルメディアは、顧客に意志決定の情報を伝える強力なツールとなりました。賢明な組織は、こうしたツールを活用することにより、ユーザーや顧客を発見し、うまく関係を築いています。デザイン思考やユーザー体験(UX)を戦略的に用いて、あらゆる段階で顧客を満足させている企業が成長しています。UXデザインを適用している会社は、他の会社よりも成長が速く、高い収益を上げているという研究結果もあるくらいです ...
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