8章応対例とメッセージの定型文

人を説得したければ、正しい議論にではなく正しい言葉に頼るべきだ。ジョゼフ・コンラッド

この章では、いよいよステークホルダーに対する具体的な応答例を説明します。まず、ここまでで我々が準備したものを振り返ってみましょう。我々の目的はステークホルダーの同意を得ることです。7章で見たように、これを成し遂げるための戦略は、我々のデザインこそが問題を解決すること、ユーザーにとって使いやすいこと、そしてほかの選択肢よりも優れていることを伝える、というものです。これを7章で解説した5つの戦術を用いて紹介しますが、プロジェクトの情況に応じて、こうした戦術に沿ったメッセージを選んでいきます。

まったく同じ内容のプロジェクトというものはなく、どのクライアントも独自のニーズを持っていますが、デザイン上の決定事項を説明するのに繰り返し使えるパターンがあるのもこれまた事実です。それをここで一覧にまとめることにします。似たものや互いに関連しているものもありますが、ステークホルダーとの会議(S会議)においてステークホルダーの同意を得るのに使える基本例文集となるでしょう。

7章で紹介した3つの戦略と5つの戦術を念頭に置いて、あなたの情況にもっとも適合するメッセージを見つけ、必要に応じて修正を加えてください。この章では、デザイン上の決定が「なぜ行われたか」をS会議で説明するのに使える表現を紹介します。ステークホルダーに最良の応対をする上で幸先のよいスタートを切るきっかけとなるテンプレート集といった感覚で活用してください。 ...

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