5章不確実性を計画するのがアジャイル
もはや言うまでもないが、世界は急速に変化しており、組織はより柔軟にならなければいけない。だが、柔軟性が必要であることを踏まえて行動する余地を作り維持していくことは大きな課題であり、それにはアジャイルの原則とプラクティスが適している。アジャイルは、不確実で急速に変化する世界の現実を認識するだけでなく、不確実性を乗りこなすのに役立つ実際の構造を提供する。
不確実性に対する計画の原則に従うことで、組織は短期的な柔軟性と長期的な計画のバランスを取ることができる。アジャイルソフトウェア開発宣言は私たちに「計画に従うことよりも変化への対応」により価値を置くことを気づかせ、アジャイルは私たちが従う実際の計画に対して堂々と変化を取り込む方法を教えてくれる。アジャイルの原則は、プラクティスによって自分たちの仕事がどう変わるかを示してくれる一方で、プラクティスは柔軟性と応答性を高める具体的な手順を与えてくれるのだ。
多くの組織ではすでに適応性を高めるための活動が進行中で、アジャイルの原則を組織の既存の言語やアイデアと統合する機会をよく目にするようになった。私たちが一緒に仕事をしたある組織では、「外部焦点」の視点で、急速に変化する世界にどうついていくかを説明した。もしあなたの組織がすでに何か「革新的」な仕事に取り組んでいるのであれば、そのような活動に伴う高い目標に構造と具体性を追加する良い方法かもしれない。
5.1 組織重力の第3法則からの脱却
そもそも、柔軟性は組織がアジャイルに惹かれるいちばん当たり前で理解しやすい理由の1つだ。だが、多くの組織は、シニアリーダーを含む多くの人が組織の成功にとって適応性が重要であることに同意している場合でさえも、実際の方針をしっかりとしたやり方で変えるのに苦労している。 ...
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