第9章
コンセプトデザインから
インターフェースデザインへ
棚卸し
ビヘイビアプランを手にした今、わたしたちはプロダクトがなすべきことが何かわかっている。また、発見したMVAを、ユーザーのそれまでの経験に合うように仕立て直し、できる限り自動的にしている。あるいは、自動とまではいかなくても、できる限り理解しやすく簡単にしている。意識あるいは感情の面から動機づけする方法、キューを準備する方法、フィードバックし、競合する行動を脇に避(よ)けるといった環境(プロダクトと実世界でのユーザーの文脈)を構築する方法についても考えた。そして最後に、ユーザーが成功するのに欠かせない、情報とユーザー自身の準備についても考えた。
こうしてわたしたちの手元には、行動の実行に不可欠な、ユーザーとプロダクトのToDoリストができあがっている。いまやデザインチームは、行動に至る一連の流れを表す、かくも重厚長大なToDoリストを、ユーザーが使いたいと思えるプロダクトへ変換しなければならない。やるべき行動をToDoリストとしてただ並べただけの「自称プロダクト」をわたしはたくさん見てきた。だが悲しいことに、ただのToDoリストでは人はやろうという気にはならない。
わたしたちの最終成果物は、やることがだらだらと連ねられたものであってはならない。そうではなく、ゲーム、セルフサービスのシステム、あるいは、時間とともに変化するが同時にシンプルさが保たれたシングルページアプリケーションとして、したたかに仕立て上げられたものでなければならない。一連の流れを提示することが間違っているわけではないが、それが行動を変えるアプリケーションの唯一絶対の在り方というわけではない。というわけで、以下では、単なるToDoリストを、使われるプロダクトにするための方法を探っていこう。 ...
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