10

インターフェースデザインを見直す

 ここまでで、インターフェースデザインを伝えるためのもの、ワイヤーフレームやモックアップなどの、実際に見たり触ったりできるものができた。次は、これらに対して、行動の視点からレビュー(批評)とフィードバックを行っていく。以下2つの観点からレビューしよう。

プロダクト全体を通じて、ユーザー体験のギャップ(落差)が大きいところを探そう

行動戦術が活かせるところを探そう

ギャップを探そう

 プロダクトデザインのプロセスは、コンセプトをユーザーが実際に触れるものへと変えていく翻訳作業のようなものだ。その過程で、ビヘイビアプランを構成する行動戦略やアクションシークエンス、環境やユーザー自身の準備の仕方といった中核部分が、推敲を重ねるうちに変わってくることもある。もし、デザイナーに優れた着想があれば、別の実現の仕方でも目的がぶれずに、行動にとってよい変更となることもある。しかし、アプリケーションがもともと意図していた、心理の重要な観点を見失ってしまい、行動に悪影響をもたらす変更となっているかもしれない。

 インターフェースデザインを考え直すということは、ビヘイビアプランを新しく考えるということに等しい。きちんと今の利点を評価したうえで、第6~8章までのデザインを絞り出す作業をもう一度なぞる。このようにして、UXデザイナーが革新的な行動の解決案を思いつけば、もとの機能要求そのままのインターフェースデザインにはならないだろう。

CREATEアクションファネルでギャップを探す

 最終的には、プロダクトによって行動が変わらなければなければならない。行動するのに必要な前提条件をすべて整えなければならない。第2章で、この前提条件をCREATEアクションファネルとして説明した。人が行動するにあたって同時に求められるものは何か、ここで簡単におさらいしておこう。 ...

Get 行動を変えるデザイン ―心理学と行動経済学をプロダクトデザインに活用する now with the O’Reilly learning platform.

O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.