6章悪いプロダクトマネージャーの典型

プロダクトマネジメントを学ぶ方法はほとんどありません。大学で教わることもなければ、職場にもトレーニングプログラムはありません。マイクロソフトとグーグル以外で、プロダクトマネージャーのエントリーレベルのキャリアパスを持つ企業はほとんどありません。インターン制度があることもまれです。あなたが会うプロダクトマネージャーのほとんどは、社内異動やソフトウェア開発からの「昇進」です。

プロダクトマネジメントを教えてもらえるなら幸運です。要求文書(アジャイルのユーザーストーリー)の書き方、開発者との計画ミーティングのやり方、チェックインミーティングのやり方、ビジネスチームからの要望の集め方、作業やバグ修正の受け入れテストのやり方など……。こういったことを学ぶのはとても簡単です。

ウォーターフォールのプロセスでは、プロダクトマネージャーの最初の一歩は、ビジネス側の人たち(内部ステークホルダーと呼びます)と話し合って意見や要望を聞くことです。プロダクトマネージャーになったばかりの人向けのトレーニングでも、このやり方が推奨されています。つまり、常にステークホルダーを満足させろというのです。私が初めてプロダクトマネージャーをしたとき、ステークホルダーはマーケティングマネージャーと私の上司とセールスチームだと言われました。彼らと毎週会って、何を達成する必要があるのかを理解し、彼らの要求を仕様に落としました。要求が詳細までわかったら、デザイナーに引き渡して、魅力的なインターフェイスを作ってもらいます。あわせて、開発者と協力しながらシステム要件を確認します。

デザイナーが作ったものをプロダクトマネージャーが承認したら、開発者はコーディングを開始できます。コーディングには数か月かかります。大きなプロジェクトであれば、年単位でかかることもあります。プロセスの最後の最後になって、初めて顧客はプロダクトを目にします。 ...

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