8章プロダクトマネージャーのキャリアパス

組織の規模が小さければ、プロダクトチームの規模も小さくなります。この場合、チームの人たちは文字どおり全部を自分たちでやります。企業の成功を確実にするには、チームは多くの職能にまたがっている必要があります。企業の規模が拡大するにつれて、プロダクトチームも同じように大きくなり、責任範囲が明確になっていきます。プロダクトポートフォリオ†1をサポートするのに必要なすべての作業を1人でやるのは、時間的に無理です。したがって、プロダクトマネジメント組織に複数の階層を作り、戦術的な仕事、戦略的な仕事、運営に関する仕事の量に応じて担当者の責任を変えるようにします。

[†1] 訳注:詳細は14章を参照

プロダクトマネージャーの戦術的な仕事では、機能を作って世に出すという短期的な行動に焦点を当てます。次にすべきことを決めるのに使うデータを処理したり、日々、開発者やデザイナーと一緒に作業を分解してスコープを決めたりすることも含まれます。

戦略的な仕事では、マーケットで勝利して目標を達成するためにプロダクトや会社のポジショニングを考えます。プロダクトや会社の将来像や、そこに至るために必要なことに着目します。

運営の仕事では、戦略を戦術的な仕事に結び付けます。プロダクトマネージャーは、プロダクトの現状と将来像をつなぐロードマップを作り、チームはそれに沿うように仕事を進めます。

開発チームと協力して進めること、個々のユーザーのニーズと問題に取り組むこと、データを計測すること。これらのスキルはプロダクトマネージャーにとって常に重要なスキルです。ソフトウェアやハードウェアを作る技術的な意味を理解し、UXがユーザー価値に与える影響を知り、それをビジネス目標に結び付けること。これらは、プロダクトマネジメントの分野の基本的な構成要素です。しかし、ポートフォリオやプロダクトの規模が拡大するのにあわせて、プロダクトの担当者はこの知識を単に機能に反映するのではなく、全体に反映するようにしなければいけません。すべての要素がシステムとして機能するようにするためです。これが、 ...

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