8章リリースマネジメント
これまでに紹介したインフラ管理の効率化や自動化を推し進めれば、より多くの時間を重要な仕事に割り当てることができるはずです。では、DBREとして本来成し得ねばならない仕事とは何でしょうか。まずはほかのエンジニアと協力して、開発、テスト、そしてデプロイをすることでしょう。かつてプロダクション環境のデプロイ、といった場合、データベースの管理者(DBA)は、まるで門番のように扱われていたものです。彼らがデータベースのマイグレーションと変更をチェックし、データベースオブジェクトの定義を確認したうえで、コードが正しくデータベースにアクセスできるかの最終確認をしていたからです。そのような微に入り細に渡るチェックが終わると、ようやくエンジニアの望む変更が、データベースに加えられます。熟練の技をもって、慎重に。プロダクション環境のデータベースに手を加えることは、このように一大事でした。
以前とは異なり、今日ではデプロイも、それに伴うデータベースの変更も、とても頻繁に行われるようになっています。このような状況では、昔ながらのやり方でDBAにデータベースの変更の最終確認者としての役割を担わせるのは非現実的です。それは、持続可能なプロセスでもありません。実際に多大なストレスが予想されるこのやり方を踏襲したところで、早々にDBAがデプロイのボトルネックとなるか、もしくは彼らを燃え尽き症候群へと突き進ませてしまうでしょう。
本章の目的は、DBREがどのようにして自身の時間とスキルを活用してほかのエンジニアをサポートするか、です。そのためには継続的インテグレーション(CI:continuous integration)と継続的デプロイ(CD:continuous delivery)をワークフローの妨げとすることなく最適化することが重要です。 ...
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