5章データフォーマットとデータモデル
APIの世界に少しでも触れたことのある読者であれば、JSONやXMLあるいはYAMLといった言葉にもなじみがあるはずです。XSDやYANGといった言葉も聞いたことがあるかもしれません。これらはいずれもマークアップ言語と関係があります。これらは一体どういったもので、ネットワークやネットワーク自動化とどのような関係があるのでしょうか。
ルーターやスイッチが通信を行うためには、標準化されたプロトコルが必要です。アプリケーションも同様に、データをやり取りする際には何らかの共通の構文を必要としています。ここで使われるのが、JSONやXMLをはじめとするデータフォーマット(データ形式)です。アプリケーションの送受信者の間では、データの表現方法だけでなく、実際のデータが正しく構造化されていることについても合意できている必要があります。あるデータフォーマットの中で、どのような構造に基づいてデータを保持するかを定義しているのがデータモデルです。
この章ではまず、ネットワークAPIや自動化ツールでよく使われるデータフォーマットを紹介します。読者がネットワーク開発者として、これらを使って開発作業を行えるようになることを目指します。データモデルについても、ネットワーク自動化にとっての役割などを簡単に解説します。
5.1 データフォーマット(データ形式)とは
プログラマーは通常、さまざまなツールを使ってプログラムの中のデータの保存や処理を行っています。その際には、変数(値が1つの場合)や配列(値が複数ある場合)、ハッシュ(値がkeyとvalueのペアになっている場合)などが使われることが多いでしょう。もしくは、それぞれのプログラミング言語の構文ルールに則った、独自のオブジェクトを定義して利用することもあるかもしれません。 ...
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