6章1年でいちばん輝かしい季節

人生は後ろ向きにしか理解できないが、前を向いてしか生きられない。

――セーレン・キルケゴール

この先数週間分の予定をカレンダーで確認するときの、不安にも似たあの感情は何なのでしょうか? ああ、そうそう、もう人事考課の季節です。あなたは前職での最初の評価面談を思い出します。上司の執務室の外に立っているときの、ぞくぞくする感覚。部屋から出てくる同僚の恐怖に塗られた顔。冷たいドアノブに触れる、汗ばんだ手のひら。恐ろしい。あなたは部屋に入り、黙って椅子に座って、上司が口を開くのを待っていました。

「それであなたは」 上司が尋ねるような口調で言います。「今年の自分の出来はどうだったと思いますか?」

「まあまあやれたと思います」

「なるほど」 彼はそう返しました。長い沈黙が続きます。言葉は空中を漂いました。

おそらく、仕事人生においていちばん居心地の悪い時間の1つでした。まるで取り調べのようでした。1人で良い警察官と悪い警察官の2役を同時に演じる人物によって、この半年間についての、あなたなりの見解を吐かされたのです。自分が担当した主な機能についてざっと説明しました。あなたは全部うまくいったと思っていましたが、相手は重箱の隅をつつくばかりでした。もっとこうすればよかったと思う部分についても語りました。コメントはありませんでした。ミーティングは終わりましたが、これでよかったのかどうか、まったく見当がつきませんでした。

「ああ、それともう1つ。今年は3%昇給です。1月の給与からそうなりますから」

空想にふけっているのに気づいて、はっと我に返ります。カレンダーに目をやり、今回は面談に同席するのが1回では済まないことに気づきます。7回です。そしてあなたはマネージャー ...

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