3章バリュープロポジションの検証
「ビジネスとは何かを知るためには、ビジネスの目的から考えなければならない。ビジネスの目的は、ビジネス自体の外側にある。実際、ビジネス企業体は社会のいち組織であるからには、ビジネスの目的は社会に求めなければいけない。ビジネスの目的の有効な定義はひとつだけである。顧客を作り出すことである†1」 ── ピーター・ドラッガー(経営学者)、1973
[†1] Peter Drucker『Management:Tasks, Responsibilities, Practices』(HarperBusiness、1973年)。邦訳は『マネジメント1 ── 務め・責任・実践』(日経BP社、2008年)
まず最初に、ただ製品ビジョンを定義したりはしない。まず、どんな課題を解決するのか、どんな顧客がその課題の解決をもっとも必要としているのかをはっきりさせる必要がある。明らかにしなければならないことは多く、ひとつでも間違えると、ビジョンは妄想に変わってしまう。地に足が着いた状態を保つためには、基本性質1のビジネス戦略と基本性質3の検証のためのユーザー調査を掘り下げて検討する必要がある(図3-1参照。さらに、UX戦略の4つの基本要素を思い出さなければならない場合は、第2章を見ていただきたい)。本章では、バリュープロポジションの作り方を学ぶ。バリュープロポジションとは、それが魔法のように素晴らしいことだと、顧客が感じられるようにしなければならない。次に、その仮説が正しいかどうかを実証する実験を通じ、バリュープロポジションを検証する方法を深く理解する。
3.1 大作映画級のバリュープロポジション ...
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