7章実験用プロトタイプの作成

誤った戦略を推進して多額の資金を無駄にしないよう、実験にもとづく戦略が必要だ。†1── クレイトン・クリステンセン(ハーバード・ビジネス・スクール教授)

リーンスタートアップの前提は、正しい道を走っていることを確認するために、早い段階から頻繁にフィードバックを得ることであり、これは基本要素3の基本的な考えでもある。エリック・リースとスティーブ・ブランクは、できるだけ早く製品を試すことが大切だと強調している†2。世界中でイベントを開催しているリーンスタートアップ・マシーン(図7-1参照)という団体さえもある。この団体のイベントでは、スタートアップ企業やプロダクト製作者たちが週末の時間を使ってMVP(必要最低限の機能を持つ製品)をデザイン、構築、テストする方法を学んでいる。

[†2] Eric Ries『Lean Startup』(HarperBusiness、 2011年)、邦訳は『リーンスタートアップ─ムダのない起業プロセスでイノベーションを生みだす』(日経BP社、2012年)

リーンスタートアップ・マシーンのスローガン「失敗するのが早いほど、成功も早い」

図7-1 リーンスタートアップ・マシーンのスローガン「失敗するのが早いほど、成功も早い」

UX戦略を成功させるためにも、この継続的テストを実施し、人々が心の底から本当に欲しがっている解決策を届けているのだという確証を得る必要がある。つまり、あなたは今すぐストーリーボードからMVP(必要最低限の機能を持つ製品)や製品のプロトタイプに飛び移らなければならないのだ。そして、できる限り早い段階で小規模で構造化された、無駄のない実験を行い、あなたのチームが現状想定している道のりから外れていないかどうかを知り、現実の世界で自分のビジネスモデルを機能させるために、するべきことは何かという課題の厳しさを思い知るべきだ。これが、私のUX戦略の枠組みを構成する4つの基本要素をすべて網羅した手順の始まりになる(図7-2)。 ...

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