12章理論の実践

最終章です。でも悲しまないでください。これからが本番です。この章では、最新のデータアーキテクチャを使った実例について、順を追って解説します。その過程で、本書を通して議論したさまざまなトピックを要約し、理論を実践に移す方法を説明します。全体的な計画、段階、順序の概要を示し、立ち上げと実行に必要なさまざまなケイパビリティを実装する方法を紹介します。

まず、データの旅について簡単に振り返り、中央集権型アプローチと非中央集権型アプローチのどちらから始めるべきかを考えます。そして、戦略的方向性の設定から、基盤の構築、ケイパビリティの高度化まで、データアーキテクチャを導入する段階を説明します。プロジェクトを成功に導くために重要となる、データ駆動型カルチャーの重要性については、ガバナンスやDataOpsの仕事の進め方を含めて議論します。次にエンタープライズアーキテクトが果たすべき役割について見ていきます。そして、この章の最後にいくつか言葉を添えて締めくくります。

12.1 データの旅についての振り返り

本書の目的は、データの旅をサポートすることです。しかし、その旅に出る前に、データ戦略を確認してください。1章で学んだように、小規模に始めるにせよ、大規模なユースケースを実装するにせよ、計画がなければ必ず失敗します。筆者は無数の企業が失敗するのを見てきました。その理由は、全員を参加させることができなかったり、戦略を明確にすることができなかったりしたからです。ビジネスユーザーを巻き込めなかったり、上級幹部の支持が得られなかったりしたからです。このことはいくら強調してもしきれませんが、変革を実行に移す前に、バルコニーから見渡し、正しい方向へ導いてくれる地図を持っていることを確認してください。 ...

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