ルール8実行されていないコードは動作しない
どんな大きなコードベースでも、それなりの期間存在すればなおさら、その中に行き止まり(dead end)がある。行き止まりというのは、何行かのコードや、関数や、下位システムで、以後実行されることのない部分だ。そういう部分が追加されたのにはおそらく理由があり、かつてのある時点では、そういうコード行も呼び出されていたのだ。でも状況は変化し、どこかの時点で、呼び出していたコードは全て、その必要がなくなってしまった。そして呼び出しは来なくなる。コードは孤立してしまったのだ。
時には、プログラム内の他のどの場所からも呼び出されない関数みたいに、孤立状態であることがはっきりしている場合もある。使っている言語とツールチェイン†1がそれなりにしっかりしているなら、そういう決まった種類のデッドコード(dead code)に関する警告だって表示されるかもしれない。
†1 訳注:ソフトウェア開発向けに組み合わせて用いる複数のツール群。
もっと一般的なのは、孤立状態にあるコードがそれほどはっきりしていない場合だ。はっきりしてないといっても、基底クラスで定義された仮想(virtual)メソッドが、ある派生クラス向けには決して呼び出されないとか、機械的な構造上の問題の可能性はあるかもしれない。でも静的解析では、そういう類のことは検出できない†2。あるいは、関数内の、ある特殊なエッジケース†3を処理するために書かれたコードがあり、そういう場面では特殊な条件分岐処理が必要になっている。ある時点で状況が変わり、そういう場面は以後発生しようがなくなる。そのエッジケースのコードはそこに残ったままだが、呼び出されることは二度とない。
†2 訳注:C++の仮想関数は、派生クラスで再定義されるメンバー関数(メソッド)で、基底クラスで ...
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