ルール17大きな問題ほど解決しやすいこともある

 「遭遇するどの問題に対しても、一番退屈なアプローチを選ぶこと。問題解決への刺激的なアプローチを思いついたとしても、そういうアプローチは多分悪い考えだ。」

 本書に出てくるアドバイスの大半をこう言い換える読者がいても、責めたりはしない。ここでのルールの多くは、場の雰囲気を若干盛り下げかねない。そういうルールは、問題解決に使えそうな面白いテクニックや賢いテクニックを指摘したかと思うと、直後に、そのテクニックを使うのは悪い考えだと教えてくれたりする。そして、単純で退屈なアプローチが、ほとんど常に最良のアプローチであるってのも事実だ。でも、「ほとんど」でしかない!

 ある極めて特別な機会に、むらくもが分かれて現れた荘厳な雲間を通じ、天から降り注いだ一筋の光芒が、キーボードに向かうきみを暖かく包んで照らす1。そしてその輝かしい一瞬の間に、今取り組んでいる特定の問題が何であれ、その問題のもっと一般的なバージョンを解決する方が、単純かつ容易だってことに気づくのだ。

1 こういう隠喩を使っても勘弁してくれるよね。ぼくみたいに35年間シアトルに住んでると、雲を使った隠喩を体得してしまう。(訳注:アメリカ合衆国の北西部ワシントン州に位置するシアトルは、夏を除き小雨や曇りの日が多いとされる)

 滅多に訪れない機会だから、大いに楽しんでほしい。そういう機会が実際に到来した暁には、機会に乗じる準備が整っていることが望ましい。単純なコードを書き、一般的問題を解決し、その刹那を大いに喜び祝うべきだ。

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