訳者まえがき
翻訳にあたって
GraphQLはFacebookが2015年に公開したAPIの規格です。このまえがきを執筆している時点で公開からちょうど4年経過しました。この4年間で各種ライブラリが充実し熟れてきています。目下のところ国内でGraphQLを実戦投入している事例は多くありませんが、同時にGraphQLを実戦投入している技術者の中ではノウハウが蓄積され始めている時期だと予想しています。
これからGraphQLの利用が広がっていってほしいものですが、少し障壁があるようにも感じています。というのも、GraphQLに関する日本語の文献が少ないのです。なんだかんだいっても国内で技術を普及させるには日本語の文献が不可欠です。WebフロントエンドのフレームワークであるVue.jsは後発ながら国内で爆発的に普及しましたが、公式がいち早く日本語ドキュメントを提供したことによる影響も少なからずあるのではないかと私は考えています。
というわけで、GraphQLを利用する障壁を少しでも下げたいという思いで本書を和訳しました。原書は昨年2018年に出版されているのですが、GrapghQLの周辺知識からサーバーとクライアントの実装、頻出の問題に対する対策まで一通りの内容がまとまっていてとても良い本です。
GraphQLの概観
GraphQLはこれまで主に使用されてきたRESTやSOAPといったAPIの規格とはパラダイムが大きく異なります。その名が表すとおり情報のグラフ構造に着目してクエリ言語を用いて情報を操作しようという考え方をしています。RDBのクエリ言語とアプローチは似ているので多くの技術者にとっては少しだけ馴染みがあるものだとは思います。それでも、クエリを叩くアプローチをAPIでやってのけようという考え方は斬新で技術的な面白さを感じられるものであると確信しています。もちろん面白いだけでなく、クエリを叩くアプローチによって、あるいはGraphQLの規格によって得られるメリットはたくさんあります。 ...
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