訳者あとがき
好評を博した、Brett Slatkinさんによる『Effective Python』の第2版をお届けできるのを喜んでいます。
まえがきにもある通り、初版にあったPython 2.xに対応した記述はすべて省かれていますが、現時点で最新のPython 3.8に対応しています。Slatkinさんから、第2版の話を伺ったのは、昨年の3月でした。秋ごろには、との言葉通り、10月末には第2版を入手することができました。
内容については、推薦の言葉やまえがきに述べられている通り、初版に比べて大幅に改訂と追加が行われています。項目が初版の59項目から90項目に増やされ、構成も大幅に変更されています。
本書に付属するコード例でも、項目52の場合、Windows環境での処理がコードの中のコメントで記載されるなど細かい配慮がなされています。翻訳に際しては、今回も疑問点について原著者のSlatkinさんから丁寧な回答をいただき助かりました。改めて感謝しております。
「日本版へ寄せて」でもSlatkinさんが書かれている通りで、言葉の壁はずいぶんと低くなっています。私が翻訳した書籍について、海外の他の著者からも日本語版のネット上のコメントについて問い合わせをいただくことがあります。そのうちに、このような翻訳本そのものが不要になる時代がやってきそうです。それでもまだ当分の間は、私のような翻訳者が読者及び原著者のお役に立っていくのだろうと考えています。
いつものことですが、編集の赤池涼子さん、査読者の鈴木駿さん、藤村行俊さん、技術監修の石本敦夫さんに感謝します。今年に入ってからは新型コロナウイルスのために、不便なこともありましたが、妻の容子ともども無事に過ごせました。読者も含め、未来の世界を支えている皆様に改めて感謝したいと存じます。 ...