3章型、値、変数
プログラムは処理を実行するときに値を操作します。例えば、「3.14」のような数値や「Hello World」のような文字列値などを操作します。そして、プログラミング言語で操作する値の種類のことを型と呼びます。型は、プログラミング言語にとって最も基礎となるものです。プログラムが値を後ほど使いたい場合に、プログラム中で値を保管(代入)しておくためのものが変数です。変数は値に対して名前を付けて、この名前でその値を参照できるようにします。変数も、プログラミング言語にとって基礎となるものです。この章では、JavaScriptにおける型と値と変数について学習します。まず、これから概要の説明と、いくつか言葉を定義することからはじめます。
3.1 概要と定義
JavaScriptの型には、大きく分けて2種類あります。基本型とオブジェクト型です。JavaScriptの基本型には、数値、文字列、論理値があります。それぞれ、§3.2、§3.3、§3.4で解説します。
JavaScriptの特殊な値であるnull
とundefined
は、基本型の値です。ただし、両者とも、数値でも文字列でも論理値でもありません。それぞれ、特別な型だと考えてください。そして、それぞれその型に属する唯一の値と考えるのがよいでしょう。null
とundefined
については、§3.5で詳しく説明します。ES6では、下位互換性を損なわずに言語を拡張できるように、Symbolという特別な型が追加されました。Symbol型については、§3.6で簡単に紹介します。
数値、文字列、論理値でも、Symbolでも、null
でも、undefined
でもないJavaScriptの値がオブジェクトです。オブジェクトは、プロパティ
Get JavaScript 第7版 now with the O’Reilly learning platform.
O’Reilly members experience books, live events, courses curated by job role, and more from O’Reilly and nearly 200 top publishers.