6章クラスタの運用
テトリスから何か学んだことがあるとすれば、間違いが積み重なると成果は消え去ってしまうことだ。
――Andrew Clay Shafer(Pivotal社テクノロジ担当シニアディレクタ)
Kubernetesクラスタを構築したとして、それが健全に運用され適切に実行されているかどうかは、どうすれば判断できるでしょうか。需要に対処するために運用規模を拡張しながらも、クラウドのコストを最小限に維持するには、どうすればよいでしょうか。この章では、本番のワークロードでKubernetesクラスタを運用する際に直面する諸問題と、その解決に役立つツールについて検討します。
3章で説明したように、Kubernetesクラスタについては、可用性、認証、アップグレードその他、考慮すべき重要事項が数多くあります。著者らが推奨するように、優れたマネージドKubernetesサービスを利用する場合には、こうした問題の大半についてユーザのために相応の対応が取られているはずです。
とはいえ、クラスタを実際にどう活用していくかはユーザ次第です。この章では、クラスタのサイジングとスケーリング、クラスタがKubernetes標準に準拠しているかどうかのチェック、セキュリティ上の問題の発見、Chaos Monkeyのようなツールを用いたインフラの耐障害性テストなどの方法も学びます。
6.1 クラスタのサイジングとスケーリング
クラスタにはどれほどの大きさが必要でしょうか。セルフホスティングのKubernetesクラスタでは、また、ほぼすべてのマネージドサービスでも、クラスタの継続的なコストに直接の影響を及ぼすのはノードの数とサイズです。クラスタのキャパシティ(容量、収容能力)が小さすぎると、ワークロードは適切に実行されないか、トラフィックが大渋滞を起こして実行に失敗するでしょう。キャパシティが大きすぎれば、資金を無駄にすることになります。 ...
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