6章ボックス2:ビジネスの成果

Lean UXキャンバスのボックス2:ビジネスの成果

図6-1 Lean UXキャンバスのボックス2:ビジネスの成果

3章では、成果(アウトカム)の概念を取り上げました。Lean UXキャンバスでは、成果はこのボックス2で初めて登場します。ビジネスプロブレム・ステートメントを作成した後は、イニシアチブの一部として私たちが求めることになる、核となる行動変化について深く掘り下げていきます。一般的に、ビジネスプロブレム・ステートメントの成功基準は、KPI(重要業績評価指標)やインパクト評価指標など、経営陣が目にする機会の多い、ハイレベルな基準が用いられます。たとえば、収益、メリット、売上原価、顧客満足度などがこれに当たります。これらはビジネスの健全性の測定には役立ちますが、機能レベルの開発を行うチームは、これよりもローレベルなものを指標にして作業に取り組む必要があります。

このエクササイズでは、これらのインパクト指標の先行指標を明らかにするための作業を行います。私たちが答えようとしているのは、「ソリューションがうまくいった場合、人々の行動はどう変わるのか?」という質問です。私たちがコード、コピー、デザインを適切に組み合わせたとき、何が起こると予想されるのでしょうか? このエクササイズでは、これらの質問に対する答えを探していきます。

ここでのブレーンストーミングでは、選択肢はすべて顧客の行動を表すものにすべきです。それぞれの答えも、「顧客がシステム上ですでにしている、価値のある行動」「顧客にしてほしくない、価値のない行動」「価値があると思われる、顧客に求めている新たな行動」などになります。つまり、カスタマージャーニーについて考え、それを明確にするのです。 ...

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