17章レコーディングルール

PromQLへのアクセス方法はHTTP APIだけではない。レコーディングルール(recording rule)を使えば、Prometheusに定期的にPromQL式を評価させて、その結果をインジェストできる。これは、ダッシュボードの高速化、集計結果のほかの場所での利用、範囲ベクトル関数の作成(compose)に役立つ。ほかのモニタリングシステムでは、同等の機能を継続クエリ(standing query、continuous query)と呼んでいる場合がある。アラートルール(18章参照)も、レコーディングルールの一種である。この章では、レコーディングルールをいつ、どのように使うかを説明する。

17.1 レコーディングルールの使い方

レコーディングルールは、prometheus.ymlとは別のルールファイル(rule file)と呼ばれるファイルに格納される。prometheus.ymlと同様に、ルールファイルもYAML形式を使っている。ルールファイルの位置は、prometheus.ymlのトップレベルフィールドであるrule_filesを使って指定する。たとえば、例17-1は、ふたつのターゲットをスクレイプするほか、rules.ymlというルールファイルをロードするprometheus.ymlである。

例17-1 ふたつのターゲットをスクレイプし、ひとつのルールファイルをロードするprometheus.yml

global: scrape_interval: 10s evaluation_interval: 10s rule_files: - rules.yml scrape_configs: - job_name: prometheus static_configs: ...

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