3章リストとタプル

3章を読めば以下の問いに答えられるようになる
  • リストとタプルの長所は?
  • リストとタプルの探索の計算量は?
  • その計算量になる理由は?
  • リストとタプルの違いは?
  • リストに要素を追加するときの動作は?
  • リストとタプルの使い分けはどうする?

 効率的なプログラムを書くときにもっとも重要なことは、使用するデータ構造の特徴を理解することです。実際、高性能プログラミングとは、データをどのように操作しようとしているのかを知り、その操作を高速にできるデータ構造を採用することと言っても過言ではありません。本章では、リストとタプルが得意な操作と、その使用法を説明します。

 リストとタプルは配列というデータ構造のクラスに属します。配列とは、何らかの固有な順序で並んだ一連のデータです。通常、この種のデータ構造では、要素の相対的な順序付けは、要素そのものと同じくらい重要です。また、順序が事前にわかっていることが重要です。なぜなら、配列上のデータが特定の位置にあることがわかっていれば、O(1)で探索できるからです†1。さらに、配列はさまざまな方法で実装でき、方法によって機能や特徴が異なります。そのため、Pythonではリストとタプルという2種類の配列が用意されています。リストは動的な配列で、格納するデータを変更したりサイズを変更したりできます。一方、タプルは静的な配列で、内容は固定されていて不変です†2

†1 O(1)では、Big O記法を用いて、アルゴリズムの効率の良さを表しています。このトピックに関して知りたい場合、Sarah Chima氏によるdev.toの投稿(https://oreil.ly/qKUwZ)や、Thomas H. Cormen氏らによる『Introduction ...

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