Pythonによるデータ分析入門 第3版 ―pandas、NumPy、Jupyterを使ったデータ処理

まえがき

　この本の初版＊1は、2012年に発行されました。当時は、pandasのようなオープンソースのPython向けデータ分析ライブラリは、まだ目新しいものであり、急速に発展している最中でした。2016年や2017年頃の第2版のとき＊2には、Python 3.6を使うように修正する必要がありましたし（初版ではPython 2.7を使用）、それまでの5年間でpandasには多くの変更が行われていました。現在、2022年では、Pythonの変更はそれほど多くありません（執筆時点ではバージョン3.10で、2022年10月に3.11がリリースされた）。しかし、pandasは進化し続けています。

＊1　訳注：初版の原書は2012年発行。日本語版は2013年発行です。

＊2　訳注：第2版の原書は2017年発行。日本語版は2018年発行です。

　この第3版では、Python、NumPy、pandasやその他のプロジェクトの最新版に内容を追随させることを目的としています。一方で、この数年で登場したようなPythonの新しいプロジェクトに言及することは控えています。この本は多くの大学やプロの職業において重要な情報源になっているため、1〜2年のうちに時代遅れになるリスクがある話題は、避けるようにしています。そうすることで、紙媒体であっても、2023年や2024年以降にも通用するものになるでしょう。

　第3版の新しい特徴として、オープンアクセスなオンライン版（https://wesmckinney.com/book）があります。これは、印刷版とデジタル版の所有者に対して、情報と利便性を提供するためのものです。オンライン版では、なるべく内容を最新に保つようにしているので、もし印刷版を持っていて、何かがうまく動作しない場合は、オンライン版で最新の内容に変更がないかを確認してください。 ...